あかるい職場応援団
厚生労働省

会員の声を聞いて、カスハラ対策の取組を始めました

会員の声を聞いて、カスハラ対策の取組を始めました

団体名:イオン同友店会
業種:小売業、飲食業、サービス業等
出店企業の従業員数:約30万人

取組のきっかけ

イオン同友店会は、イオングループ企業が運営する国内の商業施設(全国約460か所)への出店者のみなさまを会員とする組織です。イオン同友店会では、志を同じくする友として、ご出店のみなさまを同友店と呼んでいます。イオン同友店会が行っているカスタマーハラスメント(以後、「カスハラ」と表記)対策への取組は、同友店会員からのご要望をきっかけに始まりました。昨今、カスハラは業界における社会的なトレンドワードにもなっており、イオン同友店会としてもショッピングセンターで働く従業員を守るため、対応すべき事案として考えています。

ユーザビリティに特化したカスハラ研修動画

イオン同友店会では、イオングループのショッピングセンターにご出店の店舗で働く従業員のカスハラへの理解を目的とした動画研修を導入しています。カスハラ研修動画は、①カスハラの定義やクレームとの違い、②カスハラに発展させない初期対応フローやカスハラに発展しやすいお客さまの判断基準、③カスハラ人物役と店頭スタッフ役に分けたロールプレイング演習の活用、④弁護士からの事例紹介、の全4部構成となっています。

本研修動画は、全国イオン同友店会事務局主導のもと、外部から研修動画の作成に詳しい教育コンサルタントやカスハラに関する法律に詳しい弁護士の方に、動画内の伝え方や法律の観点からのご助言をいただきながら、作成しました。幅広い年齢の従業員が視聴することを想定し、誰もが理解しやすい内容や、アニメーションを用いた動画編集、視聴時間の短い動画作成(約5~6分の動画を4本)など、ユーザビリティに特化した動画を作成しています。

特に、お客さまからご指摘をいただいた際に、カスハラへ発展しないよう、まずは不快な気持ちにさせたことを謝罪した上で事情をお聞きするなどのお客さまに寄り添った初期対応を実施し、その後も過剰な要求が続く場合にカスハラの事案として扱うといった、従業員のためのお客さま対応フローを作成しています。

このような対応フローは、先行事例がなく、作成には大変苦労しましたが、他社事例や文献、厚生労働省から公表されている、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を活用させて頂きながら、従業員が実際に遭遇するシーンを想定した動画が出来たのではないかと考えています。また、動画視聴後は、習熟度テストやロールプレイングの実施を推奨し、従業員のさらなる理解度向上に繋がるような仕組みづくりを行っています。

取組の効果と新たな試み

会員さまからは、「動画を社内研修として活用しており、大変役立っている」、「内容が大変分かりやすい」といったお言葉をいただいており、従業員のカスハラへの理解は少しずつ深まっていると感じています。これら前向きなご意見を踏まえ、今後は、さらに対応に注意を要する飲食店向けのカスハラ研修動画の作成を進めていきたいと考えており、現場で実際に発生している事案等の情報収集を進めています。

今後の展望

イオン同友店会では、お客さまからのご要望に真摯に応える中で、要求内容や態度が過度の場合には、従業員が毅然と対応できるよう、カスハラ対策を進めてまいります。このようなカスハラに対する研修を通じ、イオングループのショッピングセンターで働く従業員には、カスハラへの理解を深め、お客さまに寄り添ったご対応していただきたいと考えています。イオン同友店会では、今後もカスハラに対する社内研修の拡充や従業員のみなさまが安心して働ける職場づくりに努めてまいります。

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