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厚生労働省

【第12回】

「職場の雰囲気が患者さんに伝わる」

精神科を主とするK病院

精神科を主とするK病院

取組のポイント 所在地 埼玉県
  1. 労働安全衛生の一環としての取組
  2. 患者さんの心情や感情に配慮
  3. 外部企業で産業医をしている医師による講演
業種 病院
従業員数 約400人

精神科を主とするK病院。ハラスメントを原因にメンタルヘルス不調に陥る患者さんもいる中で、職員研修を中心に活動されているとのことです。一般企業での勤務経験を持つ総務担当の方にお聞きしました。

毎月実施する研修会を舞台に

院内の学習委員会が毎月1回、医療関係の各種テーマで研修会を開催していますが、労働安全衛生の観点から、ハラスメントの内容を盛り込んではどうかということになりました。そこで、労働安全衛生委員会と合同で外部から講師を招いてパワーハラスメント研修をしたことが始まりです。その前年にはセクシュアルハラスメントに関する研修も実施しました。
その後も、外部企業の産業医を兼ねている院内の医師に、職員を対象にパワーハラスメントに関する講演をしてもらいました。また、購読している医療関係の雑誌にハラスメント関連記事が連載された時には、それを学習委員会の研修資料として使いました。

ポスターは患者さんの目に触れるところには貼れない

啓発という意味ではポスターの掲示が考えられますが、当院の場合、メンタルヘルス不調で来院される患者さんもいるので、そういう方がパワーハラスメント防止のポスターを見たらどう感じられるでしょうか。「この病院ではパワーハラスメント問題があるからこんなポスターを貼っているのでは?」などと思われると、病院に対する信頼感が薄れ、治療にも悪影響が出る可能性もあります。ですので、ポスターは患者さんの目に触れない、職員専用食堂に掲示しています。
病院は患者さんが安心できる場所である必要があるからです。
元々、ハラスメントの問題を研修会で取り上げたのも、「雰囲気の良い職場づくり」が目的です。それが、患者さんにとっても、雰囲気の良い病院になると思っています。

メンタルヘルスのプロ集団だから周囲が自然にサポートできる

時には業務上の厳しい指導もありますが、職員全体がメンタルヘルスに関してのプロ集団で、患者さんを支える立場ですので、どこまでどうしたら相手がどう感じるのか、みなさん分かっています。周囲の誰かが落ち込んでいても周りの人が気付いてアドバイスができますし、メンタルに関する受診に対しても一般の人より抵抗が少ないと思います。
セクシュアルハラスメントの相談窓口は設けていますが、パワーハラスメントについてはまだ窓口はありません。しかし、これまでに、セクシュアルハラスメントにしてもパワーハラスメントにしても、何か問題があったような話は噂レベルでも聞いたことがありません。プロの気遣いの中、お互いに自然にサポートできているように思います。
今後も研修などの取組を続け、「ハラスメントのない、そして雰囲気の良い職場」を目指していきたいと思います。

事例をお聞きして・・・

研修以外に特別な活動をしていないとのことですが、日常的に「雰囲気の良い職場づくり」を目的に種々の活動をされてこられた成果なのでしょう。職場全体が自然で明るい雰囲気に感じられました。また、「パワハラ防止」という言葉を意識していないことに、新しさを感じました。  さらに、職場の雰囲気が患者さんにも伝わるという意識は、直接お客様と接触する業態にとって、重要なことであると改めて感じさせられました。

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